歯の神経が死ぬまでのプロセスと治療の流れ
「歯がズキズキ痛かったのに、急に痛みが消えた」
「冷たいものがしみなくなったのに、何だかおかしい気がする」
このような症状がある場合、歯の神経(歯髄)が死んでしまっている=歯髄壊死が起きている可能性があります。
痛みがなくなって安心…ではなく、むしろ危険なサインです。
ここでは、清澄白河の歯医者さん「にしざわ歯科クリニック」が、
歯髄壊死の原因から治療の流れまで、わかりやすく解説します。
歯髄(しずい)とは何?
歯の中心にあるやわらかい組織で、以下の役割を担っています。
・痛みを感じる神経
・歯に栄養を届ける血管
・歯を守る免疫細胞
歯髄があるおかげで「しみる」「ズキズキする」という信号が脳に届き、
異常を知らせてくれます。
歯髄壊死(しずいえし)とは
歯髄が炎症(歯髄炎)を起こし、その状態が悪化して完全に死んでしまった状態を指します。
神経と血管の機能が失われるため、歯は栄養を受け取れず、もろくなる傾向があります。
歯髄が死ぬまでのプロセス
歯は急に死ぬわけではありません。
多くの場合、次のようなステップで進行します。
① 虫歯が深くなる(C2~C3)
エナメル質 → 象牙質 → 歯髄に近づくほど、刺激が強くなり炎症が起こります。
冷たいもの・甘いものがしみるようになるのがこの段階です。
② 歯髄炎が起こる
ズキズキした痛み、何もしなくても痛みが続くなどの症状が出ます。
この時点で治療すれば、神経を残せる可能性があります。
③ 歯髄壊死に移行する
炎症が治まることはなく、炎症の影響で血流が途絶え、神経が壊死します。
この頃から痛みが「急に消える」ため、患者さんが放置してしまうことが多い段階です。
④ 歯根の先に膿がたまる(根尖性歯周炎)
神経が死んだ後、細菌が内部に侵入して繁殖し、歯の根の先に炎症を起こします。
腫れやズキズキ痛、噛んだ時の違和感、頬が腫れるといった症状が出ることも。
歯髄壊死のサイン
以下の症状が複数あれば、歯髄壊死の疑いがあります。
・歯がしみなくなった
・急に痛みが消えた
・歯の色が黒っぽい/グレーになった
・噛んだ時に違和感・響く感じがある
・歯ぐきにニキビのような膨らみ(フィステル)がある
・頬が腫れたことがある
特に歯が変色するのは典型的なサインです。
歯髄壊死の治療方法
歯髄壊死の場合、神経の回復は不可能なため、根管治療(こんかんちりょう)が必要になります。
● 根管治療(歯の根の治療)
① 死んだ神経や感染した組織を取り除く
② 根の内部を消毒
③ 根管を密閉(薬剤で封鎖)
④ 上に土台・被せ物を装着
これによって、菌が広がるのを防ぎ、歯を長持ちさせることができます。
● 変色した歯への対応
歯髄壊死した歯は黒く変色するため、以下の処置を行うことがあります。
・ウォーキングブリーチ(歯の内部漂白)
・セラミック治療(被せ物・ラミネートベニア)
見た目の改善も含め、希望に応じて治療法を選択できます。
歯髄壊死を放置するとどうなる?
放置すると、次のようなリスクにつながります。
・根の先に膿がたまる(根尖性歯周炎)
・顎骨に感染が広がる
・最終的に抜歯が必要になることも
・全身に炎症反応が及ぶ可能性
痛みがないからといって放置するのは非常に危険です。
まとめ
・歯髄壊死とは「歯の神経が死んだ状態」
・痛みが消えるのは治ったのではなく悪化のサイン
・放置すると膿がたまる・歯を失うリスクが高まる
・根管治療により歯を残すことが可能
・歯の変色は漂白やセラミックで改善できる
清澄白河で「歯の神経トラブル」を感じたらにしざわ歯科クリニックへご相談ください
「痛みが消えた」「しみないけれど違和感がある」
そんな小さなサインが、歯髄壊死の始まりかもしれません。
早期治療が歯を守る最大のポイントです。
どんな小さな相談でも、どうぞお気軽にご来院ください。














