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お口の健康が命を守る!歯周病と動脈硬化・心筋梗塞の知られざる関係

皆さんは、歯周病が「沈黙の病気」と呼ばれるだけでなく、実は全身の健康、特に心臓や血管の病気と深く関わっていることをご存知でしょうか? お口の中の小さな炎症が、命に関わる大きな病気に繋がる――にわかには信じがたいかもしれませんが、近年、多くの研究によってその関連性が強く示唆されています。今回は、歯周病と、心筋梗塞や動脈硬化といった循環器疾患との、驚くべき関係性について詳しく解説していきます。

歯周病とは何か?お口の炎症が全身に及ぼす影響
まず、歯周病について簡単に復習しましょう。歯周病は、歯周ポケットに潜む細菌(歯周病原菌)が原因で、歯茎に炎症が起こり、最終的には歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまう病気です。初期段階ではほとんど自覚症状がないため、気づかないうちに進行してしまうことが少なくありません。

この歯周病の最も重要な特徴は、単にお口の中の問題に留まらないということです。歯周病が進行すると、歯茎の血管が豊富に発達している歯周ポケットから、歯周病原菌や、菌が産生する毒素、そして炎症性物質が、血液に乗って全身へと巡り始めるのです。これが、歯周病が全身疾患と関連するメカニズムの出発点となります。

動脈硬化とは?そのメカニズムと危険性
次に、動脈硬化について見ていきましょう。動脈硬化とは、血管が硬くなり、弾力性が失われる状態を指します。健康な血管はしなやかで弾力がありますが、様々な要因によって血管の内壁が傷つき、そこにコレステロールなどの脂肪や免疫細胞が集まって「プラーク」と呼ばれるコブのようなものが形成されます。このプラークが成長し、血管の内腔を狭めたり、破裂して血栓(血の塊)を作り、血管を詰まらせたりする原因となります。

動脈硬化が進行すると、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症、閉塞性動脈硬化症など、命に関わる重篤な病気を引き起こすリスクが高まります。これらの病気は、日本人の死因の上位を占めており、その予防は非常に重要です。

歯周病が動脈硬化・心筋梗塞を引き起こすメカニズム
では、具体的に歯周病がどのようにして動脈硬化や心筋梗塞に影響を与えるのでしょうか? 複数のメカニズムが複合的に作用していると考えられています。

歯周病菌の直接的な血管への侵入:
歯周病によって炎症を起こした歯茎からは、歯周病原菌そのものが血管内に侵入することがあります。血管に侵入した歯周病菌は、血管の内皮細胞に付着し、炎症反応を引き起こしたり、プラークの形成を促進したりすると考えられています。実際に、動脈硬化プラークの中から歯周病菌のDNAが検出されたという報告も多数あります。

炎症性物質の影響:
歯周病の炎症によって、体内で「炎症性サイトカイン」と呼ばれる様々な炎症性物質が大量に産生されます。これらの炎症性サイトカインは血流に乗って全身を巡り、血管の内皮細胞にダメージを与えたり、コレステロールの蓄積を促進したりすることで、動脈硬化の進行を加速させると考えられています。例えるなら、歯周病という火種が、全身の血管という燃料に火をつけてしまうようなものです。

血栓形成能の亢進:
歯周病菌や炎症性物質は、血液を固まりやすくする作用があることも分かっています。つまり、血栓(血の塊)ができやすくなることで、血管が詰まるリスクが高まります。動脈硬化で狭くなった血管に血栓ができれば、心筋梗塞や脳梗塞といった致命的な事態に繋がりやすくなります。

既存のリスクファクターとの相互作用:
高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙といった動脈硬化の既存のリスクファクターを持つ人が歯周病を併発している場合、これらのリスクが相乗的に高まることが指摘されています。特に糖尿病と歯周病は「相互に悪化させ合う」という悪循環の関係にあり、全身の血管系に深刻な影響を及ぼします。

これらのメカニズムを通じて、歯周病は静かに、しかし着実に血管を蝕み、動脈硬化の進行を加速させ、最終的に心筋梗塞などの重大な心血管イベントを引き起こすリスクを高める可能性があるのです。

お口の健康を守ることが、命を守る第一歩に
では、私たちはこのリスクに対してどのように対処すれば良いのでしょうか? 答えはシンプルです。歯周病を予防し、適切に治療することです。

毎日の徹底したセルフケア: 歯周病の原因となるプラーク(バイオフィルム)を徹底的に除去するために、毎日の歯磨きは不可欠です。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用し、歯と歯茎の境目や歯間の汚れを丁寧に除去しましょう。

歯科医院での定期的なプロフェッショナルケア: ご自宅での歯磨きだけでは落としきれないプラークや歯石は、歯科医院での専門的なクリーニング(PMTC)で除去する必要があります。定期的に歯科医院を受診し、歯科衛生士によるクリーニングや歯周病検査を受けることで、早期発見・早期治療に繋がります。

生活習慣の改善: 喫煙は歯周病を悪化させるだけでなく、動脈硬化の大きなリスクファクターです。禁煙は、お口の健康と全身の健康の両方に良い影響を与えます。また、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理も、歯周病と動脈硬化の予防に役立ちます。

まとめ:歯周病は「全身の病気」と捉えよう
歯周病は、もはや単なるお口の中の病気ではありません。動脈硬化や心筋梗塞といった全身の重大な病気と密接に関わる「全身の病気」として捉えるべき時代になっています。お口の健康を守ることは、ご自身の命を守ることにも繋がるのです。

「歯茎から血が出る」「歯がグラグラする」「口臭が気になる」といった歯周病のサインが見られる方はもちろん、「自分は大丈夫」と思っている方も、定期的に歯科検診を受け、お口の健康状態を確認することをお勧めします。

当院では、皆様のお口の健康を全身の健康と捉え、歯周病の予防・治療に力を入れています。気になることがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。皆様の健康で豊かな生活をサポートできるよう、スタッフ一同、全力でサポートさせていただきます。

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見えない敵「バイオフィルム」と歯周病の深い関係性

皆さんは「バイオフィルム」という言葉を聞いたことがありますか? 歯磨きを怠ると歯の表面がヌルヌルとした感触になることを経験された方は多いでしょう。実はそのヌルヌルの正体こそが「バイオフィルム」なのです。そして、このバイオフィルムこそが、日本人が歯を失う原因の第一位である「歯周病」の、まさに元凶とも言える存在なのです。

バイオフィルムとは何か?
バイオフィルムとは、微生物が作り出す集合体であり、特定の表面に付着して形成される粘性の膜のことです。簡単に言えば、細菌たちが身を守るためにバリアを張って集団で生活している状態、とイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。

台所の排水溝や、お風呂場のヌメリを想像してみてください。あのヌルヌルも、実はバイオフィルムの一種です。歯科領域においては、このバイオフィルムが歯の表面や歯周ポケットの中に形成されます。特に、歯と歯茎の境目や、歯間部、そして詰め物や被せ物の周囲など、磨き残しが多い部分に形成されやすい傾向があります。

このバイオフィルムの中には、数百種類もの細菌が生息していると言われています。それぞれの細菌が協力し合い、栄養を共有し、老廃物を排出しながら、強固なコミュニティを形成しているのです。

バイオフィルムが歯周病を引き起こすメカニズム
では、このバイオフィルムがどのようにして歯周病を引き起こすのでしょうか。そのメカニズムは以下の通りです。

細菌の温床となる: バイオフィルムは、歯周病を引き起こす「歯周病原性細菌」にとって格好の住処となります。これらの細菌はバイオフィルムの中で増殖し、数を増やしていきます。
毒素の産生: バイオフィルム内の細菌は、増殖する過程で様々な有害物質(毒素)を産生します。これらの毒素は歯茎に炎症を引き起こし、歯周病の初期症状である歯肉炎を発症させます。
免疫反応の誘発: 歯茎は、細菌の毒素から体を守ろうと免疫反応を起こします。しかし、慢性的にバイオフィルムが存在し続けると、この免疫反応が過剰になり、自身の組織(歯槽骨など)を破壊してしまうことがあります。これが歯周病の進行メカニズムです。
物理的除去の困難さ: バイオフィルムは非常に強固な構造をしており、うがいだけでは洗い流すことができません。また、通常の歯磨きでも完全に除去することは困難です。これが、歯周病が進行しやすい大きな理由の一つです。
歯肉炎の段階では、歯茎の腫れや出血が見られます。しかし、痛みがないことが多いため、自覚症状がないまま放置されがちです。バイオフィルムが除去されないまま放置されると、炎症はさらに深部へと進行し、歯を支える歯槽骨が溶かされていきます。歯槽骨が失われると、最終的には歯がグラグラになり、抜歯せざるを得ない状況に陥ってしまうのです。

バイオフィルムと全身疾患
さらに近年では、お口の中のバイオフィルムが、歯周病だけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすことが明らかになってきています。バイオフィルムから放出された細菌やその毒素が血管を通じて全身に広がり、糖尿病、心臓病、脳卒中、誤嚥性肺炎など、様々な全身疾患のリスクを高めることが指摘されています。

特筆すべきは糖尿病との関係です。歯周病が糖尿病を悪化させ、逆に糖尿病が歯周病を悪化させるという、悪循環の関係があることが分かっています。つまり、お口の中のバイオフィルムをコントロールすることは、全身の健康を守ることにも繋がるのです。

バイオフィルムを除去し、歯周病を予防するには
では、この厄介なバイオフィルムをどのように除去し、歯周病を予防すれば良いのでしょうか。

毎日の丁寧な歯磨き(セルフケア): 歯周病予防の基本は、やはり毎日の歯磨きです。しかし、ただ磨くだけでは不十分です。歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目にしっかりと当て、小刻みに動かす「バス法」など、適切な磨き方を習得することが重要です。また、歯ブラシだけでは届かない歯間部や、歯周ポケットの入り口に存在するバイオフィルムを除去するために、デンタルフロスや歯間ブラシの併用が不可欠です。
歯科医院での専門的クリーニング(プロフェッショナルケア): ご自宅でのセルフケアだけでは、完全にバイオフィルムを除去することは非常に困難です。特に歯周ポケットの奥深くや、歯石の付着したバイオフィルムは、歯科医院での専門的なクリーニング(PMTC:プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)によって除去する必要があります。PMTCでは、歯科衛生士が専用の器具を用いて、歯に強固に付着したバイオフィルムや歯石を徹底的に除去します。これにより、お口の中の細菌数を減らし、歯周病の進行を抑制することができます。
定期的な歯科検診: 歯周病は、自覚症状が少ないまま進行する病気です。そのため、定期的に歯科医院を受診し、お口の状態をチェックしてもらうことが非常に重要です。歯科医師や歯科衛生士は、歯周ポケットの深さの測定、歯茎の炎症状態の確認、レントゲン撮影などを行い、歯周病の早期発見・早期治療に繋げます。また、定期検診時にPMTCを受けることで、常に清潔な口腔環境を維持することができます。

まとめ
バイオフィルムは、歯周病の発生と進行に深く関わる「見えない敵」です。しかし、その正体を知り、適切なセルフケアとプロフェッショナルケアを組み合わせることで、私たちはバイオフィルムの脅威からお口と全身の健康を守ることができます。

歯周病は、一度進行すると元の状態に戻すのが難しい病気です。痛みがないからといって放置せず、日頃から丁寧な歯磨きを心がけ、定期的に歯科医院を受診して、お口の健康を積極的に守っていきましょう。

気になる症状がある方はもちろん、症状がなくても「最近歯医者に行っていないな」という方も、ぜひ一度、当院にご相談ください。皆様のお口の健康をサポートできるよう、スタッフ一同、誠心誠意お手伝いさせていただきます。

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歯根破折のリスクと「ファイバーコア」の重要性

歯科治療において、虫歯や歯周病によって失われた歯の機能を回復させることは、私たちの重要な使命です。特に、歯の神経を取り除く「根管治療」は、重度の虫歯や歯の炎症から歯を救うための最終手段となることが多い治療です。しかし、この根管治療を受けた歯には、残念ながら固有のリスクが存在します。その一つが、歯の寿命を大きく左右する深刻な問題、「歯根破折(しこんはせつ)」です。

歯根破折とは何か?なぜ神経を抜いた歯に起こりやすいのか
歯根破折とは、歯の根っこの部分にヒビが入ったり、完全に割れてしまったりする状態を指します。歯根は顎の骨の中に埋まっており、歯周組織によってしっかりと支えられています。しかし、一度破折が起こると、その隙間から細菌が侵入し、感染や炎症が引き起こされます。症状としては、噛んだ時の痛み、歯茎の腫れ、膿が出る、歯がグラグラするといったものが挙げられますが、初期段階では無症状のことも少なくありません。

神経を抜いた歯が歯根破折を起こしやすいのには、いくつかの理由があります。
まず、歯の神経には血管も含まれており、神経を失うことで歯への栄養供給が途絶え、歯全体が乾燥してもろくなります。例えるなら、みずみずしい生木が枯れ木になるようなイメージです。これにより、外部からの力に対する抵抗力が低下します。
次に、根管治療の過程で、感染した神経や象牙質を除去するために歯の内部が削られるため、歯そのものの構造が弱くなります。
さらに、被せ物(クラウン)を支えるための土台(コア)の種類も、歯根破折のリスクに大きく関わってきます。特に、従来使用されてきた金属製の「メタルコア」は、その硬さゆえに、噛む力が歯に不均一に伝わり、歯根に過度な応力を集中させてしまうことが、歯根破折の一因となることが指摘されています。

一度歯根破折が起こってしまうと、多くの場合、その歯を保存することは非常に困難になります。破折した部分を完全に修復・封鎖することが難しく、継続的な感染や炎症を抑えることができないためです。結果として、多くの場合で抜歯を選択せざるを得ない状況となります。

歯根破折のリスクを低減する「ファイバーコア」の役割
このような歯根破折のリスクを最小限に抑え、患者様の歯の寿命を延ばすために、現代の歯科医療で積極的に採用されているのが「ファイバーコア」です。

ファイバーコアは、ガラス繊維とレジン(歯科用樹脂)を組み合わせて作られた土台です。その最大の特徴は、**天然の歯の象牙質に近い「しなやかさ」(弾性係数)**を持っている点にあります。このしなやかさにより、噛む力が歯全体に均等に分散されやすくなり、特定の部位に力が集中することを防ぎます。結果として、歯根にかかるストレスが緩和され、歯根破折のリスクを大幅に低減することが期待できます。

これに対し、従来のメタルコアは非常に硬いため、歯とメタルコアの硬さの差が大きく、強い力が加わった際に、歯よりも硬いメタルコアが「くさび」のように作用し、歯根に無理な力を集中させてしまうことがありました。ファイバーコアは、この問題点を克服するための画期的な材料と言えます。

さらに、ファイバーコアには以下のような利点もあります。

審美性: 金属を使用しないため、歯茎が黒ずむ「ブラックマージン」の心配がなく、オールセラミックなどの透明感のある被せ物と組み合わせることで、より自然で美しい仕上がりを実現できます。
金属アレルギーのリスク回避: 金属アレルギーをお持ちの方でも安心して使用できます。
接着性の向上: 歯との適合性が高く、より強固に接着させることができるため、細菌の侵入を防ぎ、二次的な虫歯のリスクも低減します。

患者様の大切な歯を守るために
当院では、根管治療を終えた歯の土台には、歯根破折のリスクを最小限に抑え、歯の長期的な安定性確保のため、積極的にファイバーコアをお勧めしています。歯根破折は、一度起こってしまうと歯を失う可能性が非常に高い、避けたいトラブルです。

ご自身の歯をできるだけ長く健康に保つためには、根管治療後の土台の選択が非常に重要です。もし、以前に根管治療を受けた歯のことでご不安があったり、これから根管治療を受ける予定があったりする方は、どうぞお気軽にご相談ください。私たちは、最新の知識と技術をもって、皆様の大切な歯の未来を共に守るお手伝いをさせていただきます。

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小学生のお子様の歯と口の健康を守るために:この時期に気をつけたいこと

小学生のお子様を持つ保護者の皆様、こんにちは。お子様の成長は日々の喜びですが、この大切な時期は、お口の健康にとって非常に重要な転換期でもあります。乳歯から永久歯への生え変わり、顎の成長、そして生活習慣の変化など、様々な要因が歯と口の健康に大きな影響を与えます。この時期に適切なケアを行うことで、将来にわたるお子様の口腔健康の土台を築くことができます。

1. 混合歯列期の特徴と注意点
小学生の時期は、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」にあたります。前歯から奥歯にかけて、徐々に永久歯が生えてきますが、この時期は特に虫歯になりやすい環境です。

生え始めの永久歯に注意!: 生えたばかりの永久歯は、歯の表面(エナメル質)がまだ未成熟で軟らかく、虫歯菌の出す酸に弱い性質があります。特に、奥歯に生える「6歳臼歯(第一大臼歯)」は、歯の溝が深く、複雑な形をしているため、食べかすが残りやすく、虫歯のリスクが非常に高いです。この歯は、お子様の生涯の噛み合わせの要となる大切な歯ですので、特に念入りなケアが必要です。
歯並びと噛み合わせの変化: 乳歯が抜け、永久歯が生えてくる過程で、一時的に歯並びが乱れて見えることがあります。また、乳歯が早く抜けすぎたり、逆に残ってしまったりすることで、永久歯の生えるスペースが不足し、将来の歯並びに影響を及ぼすこともあります。

2. 虫歯予防の徹底
この時期の虫歯は、進行が早く、永久歯に大きなダメージを与える可能性があります。

フッ素の活用: 歯質を強くし、虫歯になりにくくするフッ素は、この時期の虫歯予防に非常に有効です。歯科医院での高濃度フッ素塗布や、ご家庭でのフッ素入り歯磨き粉の使用を習慣にしましょう。
シーラント処置: 特に虫歯になりやすい奥歯の溝を、歯科用の樹脂で塞ぐ「シーラント」は、物理的に食べかすが溝に入り込むのを防ぎ、虫歯予防に高い効果を発揮します。
規則正しい食生活: おやつやジュースの摂りすぎは、口の中が酸性に傾く時間を長くし、虫歯のリスクを高めます。だらだら食べを避け、時間を決めて与えるようにしましょう。

3. 仕上げ磨きとブラッシング指導
小学生になっても、お子様だけでは十分な歯磨きができないことが多いです。

高学年まで仕上げ磨きを継続: 特に奥歯や歯と歯の間、生え始めたばかりの永久歯は、お子様だけでは磨き残しが多くなりがちです。小学校高学年になっても、保護者の方による仕上げ磨きは継続することをおすすめします。
適切な歯磨き習慣の確立: 歯科医院でのブラッシング指導を通じて、お子様自身が正しい歯磨きの方法を学ぶことが重要です。歯ブラシの選び方、磨き方、歯磨き粉の適量などを一緒に確認しましょう。

4. 口呼吸・指しゃぶりなどの習癖
お口周りの筋肉や骨格の成長に影響を与える習癖にも注意が必要です。

口呼吸: 鼻ではなく口で呼吸する「口呼吸」は、口の中が乾燥しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを高めるだけでなく、歯並びや顔の成長にも悪影響を及ぼすことがあります。
指しゃぶり・爪噛み: 長期間にわたる指しゃぶりや爪噛みは、歯並びの乱れや、開咬(前歯が閉じない状態)の原因となることがあります。
早期発見・早期対応: これらの習癖に気づいたら、なるべく早く歯科医院にご相談ください。適切なアドバイスや簡単な装置で改善できる場合があります。

5. 定期的な歯科検診と予防ケア
何よりも重要なのが、定期的な歯科検診です。

プロによるチェック: ご家庭でのケアだけでは見落としがちな問題も、歯科医師や歯科衛生士がプロの目でチェックすることで、早期発見・早期治療につながります。
専門的なクリーニング: 歯ブラシでは落としきれない歯垢や歯石も、専門的なクリーニングで除去することで、虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。
フッ素塗布やシーラント: 定期検診の際に、必要に応じてフッ素塗布やシーラントといった予防処置を行うことができます。

小学生の時期は、お子様の歯と口の健康にとって、まさに「ゴールデンエイジ」と言えます。この時期に適切なケアを行うことで、将来の歯の健康寿命を大きく伸ばすことができます。気になることやご不安なことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。私たちはお子様一人ひとりに合わせた最適なサポートを提供し、明るい未来への健康な笑顔を育むお手伝いをさせていただきます。

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睡眠時無呼吸症候群は歯科で改善できる?意外なマウスピース治療の可能性

皆様、こんにちは。私は歯科医師として、日々患者様の口腔内の健康維持に努めております。歯科というと、虫歯や歯周病の治療、あるいは審美的な改善をイメージされる方が多いかもしれません。しかし、近年、歯科医療が果たすべき役割として、全身疾患との関連性が強く認識されるようになってきました。その代表的な疾患の一つが、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」です。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まる、あるいは浅くなる状態が繰り返される病気であり、その原因のほとんどが、上気道が閉塞する「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)」です。いびきがひどい、日中の強い眠気、集中力の低下といった症状を自覚される方もいらっしゃいますが、ご自身では気づかず、ご家族に指摘されて初めて判明することも少なくありません。放置すると、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中といった生活習慣病や循環器疾患のリスクを高めるだけでなく、交通事故のリスクも上昇させることが知られています。

では、なぜ歯科医師が睡眠時無呼吸症候群に関わるのでしょうか。それは、OSASの多くが、口腔や顎顔面領域の構造的な問題に起因しているからです。具体的には、舌の根元が落ち込む、扁桃腺が大きい、軟口蓋が長い、下顎が小さい、あるいは後退しているといった状態が、睡眠中に気道を狭め、閉塞を引き起こす原因となります。

歯科では、このようなOSASの患者様に対して、内科医や耳鼻咽喉科医と連携しながら、歯科的なアプローチによる治療法を提供しています。その中心となるのが、「口腔内装置(マウスピース)」を用いた治療です。この装置は、睡眠中に下顎を前方に突き出すように、あるいは舌が後方に落ち込むのを防ぐように設計されており、気道の閉塞を防ぎ、呼吸をスムーズにする効果があります。CPAP(持続陽圧呼吸療法)が主な治療法となる重症例や、外科手術が適応となるケースもありますが、軽度から中等度のOSAS、あるいはCPAPの装着が困難な患者様にとって、口腔内装置は非常に有効な選択肢となります。

口腔内装置の作製にあたっては、まず患者様の口腔内の状態を詳細に診査します。歯並び、噛み合わせ、顎関節の状態、舌の大きさや位置などを評価し、個々の患者様に最適な装置を設計します。歯科医師は、歯型を採取し、患者様の顎の動きや呼吸時の気道の変化を考慮しながら、精密な装置を作製します。定期的な調整も重要であり、患者様の症状の改善度合いや口腔内の変化に合わせて、装置を微調整していくことで、より高い治療効果を目指します。

また、小児においても睡眠時無呼吸症候群は増加傾向にあり、成長期の口腔機能発達不全が関連している場合があります。アデノイドや扁桃肥大に加え、低位舌や口呼吸、軟口蓋の形態異常などが原因となることも少なくありません。小児のOSASは、学力低下や多動、成長発育への影響も懸念されるため、早期の発見と適切な介入が求められます。歯科矯正治療によって、顎の適切な成長を促し、歯列を整えることで、気道の確保に寄与できるケースもあります。

睡眠時無呼吸症候群の診断は、専門医による睡眠ポリグラフ検査などが必要ですが、いびきや日中の眠気など、気になる症状がある方は、ぜひ一度、かかりつけの歯科医院にご相談ください。私たちは、口腔内の専門家として、患者様のお口の状態からOSASのリスクを評価し、必要に応じて医科の専門医への受診を促すとともに、歯科的な治療を通じて皆様のより良い睡眠、ひいては全身の健康維持に貢献できることを願っております。

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口臭の原因と歯科治療による改善

口臭は、自覚しにくい一方で、周囲の人に不快感を与えることもあるため、多くの方が気にされるお悩みの一つです。市販のマウスウォッシュやガムで一時的に緩和されることもありますが、根本的な解決には至らないことが多く、原因を正確に突き止め、適切な治療を行うことが重要です。

口臭の主な原因の約90%は、実はお口の中にあると言われています。代表的な原因には、歯周病、虫歯、舌苔(舌の表面にたまる白っぽい汚れ)、磨き残しによるプラークの蓄積などが挙げられます。特に歯周病は、歯ぐきの中で細菌が繁殖し、揮発性硫黄化合物と呼ばれる強い臭いのガスを発生させるため、強い口臭の原因になります。

当院では、まず口腔内の状態を丁寧に診査し、口臭の原因を特定することから始めます。歯周ポケットの深さの測定やレントゲン検査などを通じて、歯周病の進行度を把握し、必要に応じて歯石除去やルートプレーニング(歯根の表面を滑らかにする処置)を行います。

また、虫歯によって歯にできた穴に食べかすが溜まり、臭いの元となっている場合は、早期の治療が必要です。詰め物や被せ物の劣化によって隙間ができ、そこに汚れが入り込んでしまうこともあります。こうしたケースでは、補綴物の交換や再治療によって口臭が改善されることもあります。

さらに、舌の表面に付着する舌苔が原因である場合には、舌ブラシを使った正しい清掃方法をご案内しています。ご自身でのケアと並行して、定期的な歯科でのクリーニングを行うことで、細菌の温床となるプラークや歯石の除去が可能になり、口臭予防につながります。

口臭は、対人関係に影響を与えるだけでなく、ご自身の健康状態を知らせる重要なサインでもあります。口の中の健康を整えることは、全身の健康にもつながる第一歩です。もし「最近口臭が気になる」「家族から指摘された」といったお悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。歯科の専門的な視点から、原因の追及と根本的な改善をサポートさせていただきます。

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歯周ポケットとは?

歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの間にできる隙間のことを指します。健康な歯ぐきでは、この隙間は1〜2mm程度と浅い状態ですが、歯周病が進行すると歯ぐきが炎症を起こし、歯を支える組織が破壊されることで、隙間が深くなっていきます。これが「歯周ポケット」と呼ばれる状態です。深くなった歯周ポケットの中には、歯ブラシでは届かないプラークや歯石がたまりやすく、さらに炎症を悪化させる原因となります。歯周病が進行すると、最終的には歯がぐらついたり、抜けてしまうこともあります。歯周ポケットの深さは、歯科医院で専用の器具を使って測定することができ、早期発見と治療が重要です。定期的な歯科検診と歯のクリーニングで、歯周ポケットの悪化を防ぐことができます。

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歯のクリーニング、なぜ定期的に必要?

毎日の歯磨きだけでは、歯と歯の間や歯ぐきのすき間に残ったプラーク(歯垢)や歯石を完全に取り除くことはできません。これらが蓄積すると、むし歯や歯周病の原因となってしまいます。

そのため、歯科医院での定期的なプロフェッショナルクリーニング(PMTC)が重要です。専用の器具を使って、普段の歯磨きでは落としきれない汚れをきれいに取り除き、歯の表面をツルツルに仕上げることで、汚れの再付着も防ぎます。

また、定期検診の際にむし歯や歯周病の早期発見・予防ができるのも大きなメリットです。初期のトラブルは自覚症状がほとんどないため、早めの対応が大切です。

健康な歯と歯ぐきを保つためには、3ヶ月~6ヶ月に1回のクリーニングを目安に受けることをおすすめします。将来の大きな治療を防ぐためにも、今からのケアが歯の寿命を延ばす第一歩となります。

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赤ちゃんの歯磨き、いつから始める?

赤ちゃんの歯磨きは、最初の乳歯が生え始めた頃からスタートするのが理想です。多くの場合、生後6~9ヶ月ごろに下の前歯が生えてきます。この時期から、ガーゼやシリコン製の歯ブラシで優しくふき取る習慣をつけてあげましょう。

1歳を過ぎて歯が増えてきたら、赤ちゃん用のやわらかい歯ブラシに切り替え、1日1~2回の歯磨きを習慣づけます。特に寝る前の歯磨きは大切です。寝ている間は唾液の分泌が減るため、むし歯のリスクが高くなるからです。

赤ちゃんが歯磨きを嫌がることもありますが、無理に行わず、笑顔や歌、遊びを取り入れて楽しい時間にしてあげるのがコツです。保護者のひざの上に寝かせて行うと安定しやすく、お口の中も見えやすくなります。

乳歯は永久歯の健康にも関係する大切な歯です。早い時期から歯磨き習慣を身につけることが、将来の健康な口腔環境づくりにつながります。

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食後の酸性環境と虫歯予防のポイント

清澄白河駅徒歩30秒の歯医者、にしざわ歯科クリニックです。

食事の後、口腔内は一時的に酸性に傾きます。これは、食べ物に含まれる糖分が口腔内の細菌によって分解される際に酸が発生するためです。この酸により歯の表面(エナメル質)が溶けやすくなり、虫歯のリスクが高まります。特に甘いものや酸味の強い飲食物を摂取した後は、口の中が強く酸性になります。しかし、唾液にはこの酸を中和する力があり、時間が経つと徐々に元の中性に戻っていきます。予防としては、食後すぐの歯磨きは避け、まずはうがいをして酸を洗い流すことが効果的です。また、ガムを噛むことで唾液の分泌を促し、酸の中和を助けることも推奨されます。規則正しい食生活と間食の回数を減らすことも、口腔内環境を良好に保つポイントです。日々のケアを心がけることで、虫歯や歯周病の予防につながります。

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